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イケないキミに白い林檎を
第30章 林檎の花
「思い出せたんだから泣かなくていいんだよ。それに一緒に頑張るって決めただろ」
「はい……」
「でも、全て忘れても乙羽さんは俺のことを好きでいてくれているんだなって分かったよ」
互いに手を近付けてもまだ怖い気持ちがなくならなくて触れ合えない。
これからも一緒にいると話した時に触れた勇気は何度も出せるものではなかった。
だけど、ソラ先輩は触れ合えなくても笑みを浮かべてくれた。
昨日の私はなにを言ったんだろう。
気になるけど悪いことを言ったわけではない気がした。
こちらも笑顔になるとソラ先輩は私の方にスマホを向けた。
カシャッ……!――――
「わっ!……なんで写真を撮ったんですか?泣き止んだところを撮らないでくださいよ」