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イケないキミに白い林檎を
第30章 林檎の花
どんな顔で聞いているのか怖くなって、私に視線を向けるソラ先輩を見れなかった。
練習と称して一度だけ手を繋いだことは事実だから自業自得。
俯いたままでいるとソラ先輩は庇うように私の前に立った。
「隠れたままで何も言わないってことは本当のことなんでしょ」
「だからなに?今の彼女はそんなことをしてませんから」
「ソラ先輩……」
「彼氏の後ろに隠れるとか卑怯よ!しかも彼氏と手を繋いでないってことは、本当は彼氏じゃなくて秋のことが好きなんでしょ!?」
やはりまだ勘違いされている。
ライバルだと思い込んでいるから私に噛み付いてくるんだろう。
気の強い人に反論する勇気がなくて弱気になっていたけど腹が立ってきた。