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イケないキミに白い林檎を
第30章 林檎の花
「いい加減にしてください!私が好きな人は彼氏だけなんです」
声を張り上げた私は前に出てソラ先輩を引き寄せた。
ぴったりと体をくっつけて腕を組み、嘘ではないことを見せつける。
「これでも違うって言えます!?それに秋のことがそんなに好きなら、私に構ってないで告白すればいいじゃないですか」
「うっ……!なによ……」
「そういう事だからお引き取りください。……これ以上、俺の彼女を困らせたら許さないからな」
とどめを刺すようにソラ先輩が冷酷な視線を向けると女の子は怖気づいた顔をして逃げて行った。
さすが大魔王と言ったところだろうか。
「これでもう大丈夫だろうね」
「ありがとうございます。でも、ごめんなさい……。あの女の子が言っていた練習のことは本当なんです……」