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イケないキミに白い林檎を
第30章 林檎の花

組んでいた腕の力が弱くなる。

言わなければ良かったと思う後悔もある。

だけど、秋に対して今は何も思っていないからこそ事実を隠しておきたくなかった。


触れている手を離さずにゆっくりとソラ先輩の方に顔を向けると目が合ってドキッとする。

許してくれているのか、怒っているのか、どちらとも言えない表情だった。


「いい気はしないけど、前のことだろ」

「はい……。結構前のことになります。でも、神に誓ってキスやセックスはしてません」


「知ってるよ。それに今の乙羽さんは俺のことだけ見てるって分かってるから」

「ありがとうございます……。信じてもらえて嬉しいです」

他人の視線がこちらにないことを確認してからソラ先輩の頬にキスをする。

こちらからキスをすることがあまりなかったせいか、目をパチクリさせていた。

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