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第30章 林檎の花

その様子をじーっと見ていると赤らめた顔を私の方から逸らした。

可愛いところを見れてラッキーと思いながらニヤニヤして体を寄せていく。


「見せつけるためとは言え、触れるの頑張ったね。無理しないように離れた方がいいんじゃない？」


未だに心配してくれるソラ先輩を見て私は笑みを浮かべる。

本当に愛されていると身をもって知った日から自分の心の中で何かが変わっていった。

だから、今こうして触れることができているんだろう。


しっかりと腕を組んでいるから胸が当たっていると言うよりも押し付けているような状態になっている。


「これが無理をしているように見えますか？」



「…………。乙羽さんは本当に小悪魔だな」