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イケないキミに白い林檎を
第30章 林檎の花
二年後―――――
大学卒業後に就職先が決まり、私は無事に四月から社会人になった。
覚えることだらけで慌ただしい毎日。
やっと一息つけたゴールデンウィークは家で過ごすことなく、日頃の疲れを忘れてソラ先輩と旅行に出掛けていた。
「今回の旅行は田舎なんですね」
休憩するのを兼ねて車から降りて景色を楽しむ。しかし、街から離れてやってきたところは畑しかない。
「緑が多いと乙羽さんの心も癒されるかなと思って」
「私はもう大丈夫なのにいつまで心配してるんですか。しかも未だに風子って呼んでくれないし……」
「ははっ、今回は社会人になってから忙しそうだったからゆっくり休んでもらいたいんだよ」