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イケないキミに白い林檎を
第30章 林檎の花

飲み物を買いに行った隙を見て、テーブルに箱を置いてからドキドキしながら待機する。

箱の中身は事前に宅配で送り、ホテルスタッフに預かってもらっていた物。

ぐちゃぐちゃにならないように気を付けて梱包したけど中身がどうなっているか分からない。


ソラ先輩が戻ってきた時に呼び寄せてその箱を開ける。


「誕生日おめでとうございます」


中身はイチゴとブルーベリーをトッピングした手作りバースデーケーキ。

チョコレートで書いたお祝いのメッセージとデコレーションが崩れていなくてホッとした。

ケーキを見て唖然として固まっているソラ先輩をスマホで撮影する。

「ふふっ。驚いた顔いただきました」


「すっかり忘れてた……。ありがとう、乙羽さん。すごく嬉しいよ」

心から喜んでくれている柔らかな笑顔を見ることができて満足する。

サプライズは大成功。

社会人になって初めての給料で買った誕生日プレゼントの腕時計も渡すと、さらに喜んでくれて私も温かい気持ちになった。

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