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イケないキミに白い林檎を
第5章 狂乱
「普通に考えれば分かるよ。颯太は出張で帰ってこないって乙羽さんが言っていたのにも関わらず、その日に私服で駅を歩いていた。
乙羽さんに嘘をつくってことは何かあるに決まってるだろ」
颯太は私に嘘をついて玲亜さんと会っていた。
信じたくないけれど裏切られていた。
思い返すだけで、また胸が苦しくなってくる。
「仕事が忙しくて会ってくれない日がほとんどでしたし、浮気されていたことに気付けませんでした……」
「今だから言うけど、颯太は分かりやすい嘘しかつけない男なんだよ。素直な分、ボロが出やすいんだ」
言われてみればその通り。
やりたくない事はやらない、いらない物はいらない。
思ってることをハッキリと言う素直な人だった。
「じゃあ、ソラ先輩は颯太が浮気していたのを知ってたって言うんですか?」