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日は昇り、日は沈む
第1章 ひなた村
あの緊急サイレンを聴いた筈なのに、この村の人達は何故慌てないのだろう。

九月場所の千秋楽を見たという話から、相撲をとり始めた男らの様子にタカオは苛立ち、ポケットの携帯電話を取り出して唇を噛んだ。

「おや、珍しいもの持ってるねぇ」

パジャマのままの明美が店に入ってきた。

「あ、おばさん、悪いけど、みんなを静かにさせてくれない?」

ここで一番若いタカオには、いまのこの状態を収拾できる自信はない。

「おや、もしかしてあんたがアレを押したの?」

「うん」

「それは一大事ってコトだね、よし、おばさんに任せな」
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