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第2章 ひなた村事情１

タカオの演説が熱を帯びてきた。

「それはアレか、あのおてんとう様が、海から昇って海に沈むからか？ いてっ」

窓を指差した丸男が、またマサ爺に頭を叩かれた。

「そうです。海から昇った太陽が、また同じ海に沈むなんて、どこを探してもこの村だけです。そして、ついにその、日の出と日没の様子がネットにアップされてしまいました」

「タカちゃん、アップってなんじゃ」

そう言って立ち上がったマサ爺は、丸男に睨まれ、恥ずかしそうに腰を下ろした。

「はい、簡単に言うと、世界中の人達が、パソコンや携帯電話でこの村の珍しさを目にすることが出来るようになったということです。珍しいとそれをみんなに言いたくなる、広めたくなる。そしてそれを知ると見てみたくなる、そこに行ってみたくなる」