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日は昇り、日は沈む
第6章 ひなた村の太陽
違和感に気付いた者たちが、ぐるりと村を見渡した。
「結界がない!」
「霧が消えた……」
村を覆っていた薄いベールが取り払われ、仕切りがなくなった空には、無数の星が瞬いていた。
「ね、ねぇ、あれって……」
皆がそれぞれに東の空に目を移した。
「つ、つ、月だ……」
「つ、月?」
「まんまるだ……」
その日は中秋の名月で、その月は、ひなた村に昇る初めての月だった。
「きれいね……」
「ウサギが見える」
誰かが笑い、誰かが目を潤ませた。
「これでよかったんじゃ」
マサ爺が呟いた。
「結界がない!」
「霧が消えた……」
村を覆っていた薄いベールが取り払われ、仕切りがなくなった空には、無数の星が瞬いていた。
「ね、ねぇ、あれって……」
皆がそれぞれに東の空に目を移した。
「つ、つ、月だ……」
「つ、月?」
「まんまるだ……」
その日は中秋の名月で、その月は、ひなた村に昇る初めての月だった。
「きれいね……」
「ウサギが見える」
誰かが笑い、誰かが目を潤ませた。
「これでよかったんじゃ」
マサ爺が呟いた。