この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
手を繋ごう〜愛憎II〜
第14章 面談
豊は先に教室に入っていたのか

「ゆう先生、また面談ですか?」

と、ニコニコしながら、ゆうを待っていた。

「お母さん、大丈夫?ちゃんと食べてる?」

いつものように面談を始める。

豊は

「ああ…元気ですよ。最近リハビリを始めました。僕も食べてますよ」

と、端正な顔で笑顔を崩さなく、どこから入り込もうかゆうは考える。

「階段での事故の事だけど…ホントにあなた何も知らない?」

そう聞くのは彼の母親もだんまりを決めてしまい、口を割らないため。

逆に追い返されることもあり、状況こそは耳に入っているが、当事者の話は全く聞いていない…それが現状だった。

「もーう、先生、何回言わせるんですか…僕は何も知りませんよ…」

豊は口を割らない。

(どうしたら…そうだ…彼が力を入れている事を聞いてみよう。)

そう思い、ゆうは

「今回のテスト、また順位に入ってたわね!」

そう言うと、ピシ…と豊の表情が固まった。

ゆうはその表情を見て

(確か…やばい。この子少し順位が落ちたんだ…)

失念していた事に後悔が押し寄せる。

「今回はまさか10位以内に入れなくて、びっくりですよ…」

そう言う豊に

「で、でも、学年で見れば成績はトップ争いしてるんだし、ね?」

と、ゆうは慌て答えるも

「僕は…上に行かなくちゃ生きてけないんです」

ぽそりと豊は話す。

言葉に怪訝に思いゆうは問う。

「なんで…そう思うの?」

その言葉には無言になる豊。

ゆうは彼の目を見て、

(やっぱり何かを背負ってる…)

確信する。

暗い闇に包まれた、死んだような目。

何かの欲求が満たされていない目。
/268ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ