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手を繋ごう〜愛憎II〜
第19章 お料理の時間
パチッ
目をぱっちりあけると、暗闇の中。

「んぅぅ〜」

萌は身じろぎをする。

(あれ?ここどこ?)

辺りを見渡すが、何も見えない。

しかし、自分が何かの上に乗っている事に気付いた。

クンッ

鼻で香りを嗅いでみると、いつも誠が少しだけ付けている香水の香りがする。

「まこちゃん?」

ムクッと起き上がり、目を懲らそうとしていたら、肘をガジッと掴まれ、また下の人の胸に飛び込む様な形になる。

「キャッ」

萌は驚いたが、

「萌、おはよ。」

寝ぼけ眼で、萌に声を掛ける誠。

「ごめん、乗っかってた」

そう言うと、

「あなたはいつも俺に乗っかってるから気にしてませーん」

と、誠は答える。

顔を赤らめる萌。

誠は萌をしがみつかせたまま、上体を起こし、パチッとルームライトを点ける。

暖かなオレンジのライトが灯される部屋で、浮かび上がった誠は、起きたてなのもあるのか、すごく無防備な表情を浮かべていた。

誠は時計を見る。

「わっ18時?!俺たち3時間も寝てたんかっ」

と、驚きの表情を浮かべた。

「私、どうやってここに来たの?」

そう言う萌に

「はは、あんなに泣きじゃくっていたら、忘れちゃうか」

と、萌の柔らかい体を堪能する様に言う。

その言葉を聞き、萌は自分に何があったかを思い出した。

「…ごめん、思い出した」

そう言う萌に

「ま、いーんだけどね?全然気にしてない。大丈夫」

と言う誠。
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