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手を繋ごう〜愛憎II〜
第27章 静かな日常と影
「てかお前の名前がなんで出てこねぇんだよ。」

波留が怒気を含んだように誠に言う。

「…俺怪我とか動けない状態だったら…」

と言うのに

「まこちゃんなんでそんなこと言うのっ?!」

と、萌が金切り声を出しながらポロポロ涙を流す。

「変な予測しないで良いから、お前の名前を一番目に登録しろ!その為に俺ら動いてるって、なんべん言わせるんだ」

波留の怒りが止まらない。

「…ごめん。少し弱気になってた。俺の名前入れなきゃな」

ごめん。

と、萌の頭を撫でる。

「一人か二人外部の人間入れておいた方が良い。授業中とか動けない時あると思うから」

隆が呟くように言う。

「そしたら…萌のお母さんと健太さん…とか?」

誠が言うのに

ゆうは頷き

「分かった。健ちゃんと萌ちゃんのお母さんには私から言っとく。うちの雪香にも持たせて使ってるから、要領的には知ってる。取り敢えず善は急げってヤツで契約しちゃいましょう。そうならなきゃ良い。それだけだから」

と言うのに、全員で頷く。

「お前は良いのか?」

波留が誠に聞く。

「やっぱ必要かな…」

ははは…と空笑いする誠に、

「てめぇが今一番必要なの!」

とペシンと波留が叩く。

「一先ず、まこちゃんと萌ちゃんの防犯ブザーは決定ね。あとは…」

「唯ちゃんの所には行けないのかな?」

萌が赤い目をしながら聞く。

ゆいは俯きながら

「まだ…もう少し待ってあげて?今ご両親の力だけが頼りなの。それから私達…」

その言葉に萌が俯きながら

「そう…だね……」

と、言う。

「まぁ、なんにしても、今は昼間で学校帰れるんだからさ。あ。そういや萌ちゃん」

亮が萌に話しかける。

「うちのかなが、お菓子、もえちゃんと作りたいって言ってて。どーお?」

その言葉に

「嬉しいです!是非!って伝えてください!」

と返すのに

「したらあとで、連絡先かなに教えても良いかな?」

「分かりました」

と、頷いた。
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