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手を繋ごう〜愛憎II〜
第27章 静かな日常と影
シャっと萌はカーテンを開け、外の風景を見る。

「あぁ!雪だぁ」

感嘆する声を上げる萌を後ろから抱き締め

「天気予報通りだったな…」

呟くように言う。

初雪が観測される…昨日の天気予報で言っていた。

いつの間にか、11月をあとわずかにした、日曜日。

来週には12月。

早いな…誠は思う。

あれからは静かな毎日だった。

先週、豊の家から押収された…と言うものには驚いたが、ゆう自体は予期していたことであったらしい。

冷静に告げて来た。

こちらもこちらで予期はしていた事だったけれど、それが現実的になるとショックはでかいもので、クラスメイトで部活が一緒の彼がそんな事をしていて、気付かなかった事に誠は悔しさを覚えた。

(良いのか?榎本…)

そんなに罪を重ねても。

俺たち、まだ人生始まったばかりじゃないか。

なんで、SOSを向けてくんなかったんだよ。

そんな気持ちに誠はなる。

けど、恐らく豊にとっては、そんな言葉は上っ面にしか過ぎない。

その前までは普通の一言三言くらいしか話さない、クラスメイトだったり、同じ部活動の仲間…そんなカテゴリでしか過ぎないからだ。

家庭環境も聞いた。

と言うか、強引にゆうに割らせた。

誠の人生も病に倒れたりしたけど、その後は全く平穏で、長年好きだった子と付き合える幸せでいっぱいで

「そりゃ執着するわな」

と言う結論に至った。

波留や萌辺りは

「それで人を巻き込むなんて以ての外!」

と言っていて、誠もその気持ちはすごく分かるが、萌に危害を加えて来ない限りはこちらは動かない。

そう決めた。

あれから、両親と話した誠は、仕送りの中から、生活分を早苗に渡すようにした。

早苗は

「良いのよ良いのよ」

と言ったが、誠がいるとエンゲル係数がガクッと上がる為、困った誠は両親に連絡し、早苗は誠の両親に説得され、

「取り敢えず受け取っておくわね」

と、渡したお金を受け取ってくれた。

両親から言われるまで、その事に気付かなかった誠は

(あぁぁ〜やっちまったぁ…)

と、凹んだが、萌が

「あの時、そこまで考える余裕がなかったもの。仕方がないわよ」

と言ってくれたお陰で、凹んだ心が盛り上がって行くのを感じた。
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