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手を繋ごう〜愛憎II〜
第3章 パニックな朝と懸念
(もぉぉ〜担任である私に、こんな大事な事、何一つ言わないで、ご両親も優衣子もなによぉぅ〜〜)
と、戸惑うゆう。
そんなゆうを見た誠は
「あっ!忘れてた!!すっごい急で、すぐに行っちゃったから、父さんも義母さんも忘れてたんだわ。俺がわりぃ。ごめん。」
と、パンッと音を立て手を合わせ、謝罪した。
「どこ行ったの?」
「海外。なんか…3年?定年前一年間は日本だとか言ってたけど」
「優衣子は?」
「35にもなって、親元にいるのもどうかと思うっつって、彼氏んち行った。」
(まぁ…私は旦那がいるし…でも、確かにそう思うわよね…)
友人である優衣子を思い浮かべ、はぁぁぁ〜…とゆうはため息を吐き、
「まぁ、それだったら仕方がないし、優衣子も仕事忙しいみたいだしね」
と、ゆうは言った。
「まぁね?泊まる事も否定はしないし、私もやってたし。好きなもの同士だったら、良いんだけどね…?」
誠と萌は顔を赤らめる。
「でもね?お約束事は守ろうね?」
ゆうは最後にいつもの如く業火の炎を出して言う。
萌と誠は
「はいぃぃ~」
といつもの如く怯える。
そんな中、チャイムの音が聞こえる。
「取り敢えず、言いたい事は言ったから、集会に遅れずに来てね、さぁサッサと行く!」
と、言い、手を振る。
「わかった!ありがとう!」
「ありがとう〜」
と言った萌に笑顔になる。
(ふふふ…まこちゃんと萌ちゃんがねぇ……あの、小さかったあの子達が…)
懐かしげな表情を浮かべる。
(…でも…学校の生徒がそう言うのを見ていたってことは…)
ゆうは不安感に襲われる。
「まこちゃん。昼休みにもう一回私のとこ来て。」
振り返り、
真剣な表情に何かを察したのか誠は
「分かった。」
と、真面目な顔で言った。