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手を繋ごう〜愛憎II〜
第3章 パニックな朝と懸念
「一番怖いのは、あなたを憎んでいて、尚且つ、萌ちゃんに告白していて萌ちゃんが断っているにも関わらず、忘れられなくて、自分の事を好きだと思い込んでるタイプ。該当する人がいないと良いんだけど。
で、うちの生徒の事そうは思いたくないけど。萌ちゃん、断れない性格でしょう?」
「ああ…。断った…そうは言ってるけどな…。ま、相手だって、生半可に恋心を忘れる事は出来ないとは思うけど」
けど…ゆうの予感が的中するのでは…?と考えると、誠は不安になる。
「…なぁ?俺が海外行ったら、萌どうしよう。俺守れない…」
「今はあなたや他の人にもそれとなく言って、何事なく過ごせるように私も手を回すけど…。これは萌ちゃんが、自分で気付くしかないわ。その時、私に来てくれたら良いんだけど…」
ゆうは俯く。
「やっぱり、俺海外行くの辞めた方が良いだろうか?」
「それは、もう少し考えてみなさい。あなたの人生が後悔することがないように…澤村の言う通りにやってみなさい。それに…あなたが質問に来てくれるの、澤村が心待ちにしてるようよ」
朗らかに、誠にゆうは笑う。
「ん…分かった。」
「とにかく、先の心配をしないで、今を思いっきり楽しみなさい。」
誠は頷く。
「それよりねー、あんた。」
突然ゆうは砕けた喋り方になる。
「…へ?」
「初体験したての子にいきなり7回もセックスするのはどうかと思うわ」
ごおおお……と、業火の炎を燃え出すゆう。
「女の子の体はデリケートなの。10代の女の子の体なんて、子宮とか卵巣もまだ未熟だから、子宮の粘膜なんてすぐにこわれてしまうの。」
「ご…ごめんなさい…」
「ちゃんと避妊したでしょうね?」
誠は慌てて、
「してるに決まってるだろ!」
と、言った。
「傷付けさせたくない。俺には子どもを養えるようなまだそんな甲斐性はない。」
「ん。それは私の見込み通りだった…」
ゆうは誠の頭を撫でる。