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手を繋ごう〜愛憎II〜
第3章 パニックな朝と懸念
「やめろよ、もう、俺16だぞ!」

と、誠の頭を撫でる手を慌てて振り払う。

「…くすん…。こないだ、萌ちゃんは撫でさせてくれたのに…。
小さい時はあんなに可愛かったまこちゃんが変わってしまった…」

ゆうは残念そうに言う。

「変わるっつーの!あんなになよなよしてたら、萌守れねーし!」

「じゃあなんで、痴漢なんてしたのよ。」

「…う…。」

黙り込む誠に、

「答えなさい…?」

と、にじり寄るゆう。

「も、萌の夏服のブラジャーが透けてて、いつの間にか触ってたんだ!」

はぁぁぁ〜…。

ゆうはため息を付き、

「あんたは欲望のままに…が多すぎんのよ!」

と、パチンと頭を叩く。

「いてっ!」

「大好きな大好きな萌ちゃんのセックスパートナーになれたんなら、ちゃんと萌ちゃんの体を心配しなさい。
あなたのことだから、妊娠の心配はないとは思うけど、初めての経験した後に7回もペニス突っ込まれた日にゃ、腰も子宮が痛くて仕方がないのは当然だと思うわよ。私でさえ、そんな連続しつこくやられたら嫌。」

「あ……」

誠は、そうだった…。と、思い出す。

「あぁぁぁぁ…!!俺どーしよ、なんて萌に謝ろう」

「優しくされたら、優しくするの。大切に思われたいなら大切にする。セックスも気持ちよくなりたいなら、気持ちよくさせる。
大切な人なら返してくれるわ。」

(そっか、そう言うの、俺無かったんだ。)

誠は思った。


「うん。分かった。」

「それより、それでも、貴方に笑いかけてくれる萌ちゃんを感謝すること。」

「はい。」

誠は真面目に言う。

「あと…分かってるよね…?学年10位以内…海外に行きたいって言ったの、あなただからね?」

(あぁぁぁぁ…業火の炎が見えるぅぅぅ〜…)

「分かりました!!」

「よろしい。」

にこっとゆうが笑った時にチャイムが鳴る。

「あ!やべ!」

慌てて行こうとする誠に

「担当教科の先生には私と話し込んで遅れたって、私からも言っとくから、廊下ゆっくり歩いて行きなさいよ?」

と、ゆうは言った。


(はぁぁぁ…めっちゃ反省……もっと俺、萌の事大切にしなきゃ…)

誠は早足で廊下を歩きながら思う。

(……それにしても……、ゆうちゃんの不安が的中しなければ良いんだけど…)

誠は悩んでいた。
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