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手を繋ごう〜愛憎II〜
第6章 憂鬱
「じゃあな」

車に乗った哲治が、美咲の家から少し離れた所に車を止め、美咲は車を降りる。

挨拶すらしたくない。

けれど、無理矢理笑顔を作り

「じ、じゃあ」

と、降りる。


そうでもしないと、後でまた怖い目に遭う…。
そう思いながら。




美咲は空虚感が漂う中、まだ夕暮れの住宅街を歩く。

もう少しで家だ。
そう思った時

「なに、死んだ目してんだ?」

美咲の家の門で待っていた影。


「隆…」

美咲は呟くように言った。


美咲は無理矢理笑顔を作り

「し、死んだ目なんかしてないわよっ!それよりなに?私をナン…」

と言う途中に

「ナンパするために待っていた訳じゃない」

と、隆は言った。


「そしたら、どうしたの?」

そう言う美咲に

「お前を誘いに来ただけだ。」

と言う隆。

「やっぱりナンパしに来たんじゃないの〜」

と、キャラキャラ笑う。

(これが私。)

そう思いながら。


隆は

「ナンパだと思うならそれで良いんだが。」

と、相変わらず冷静な表情で言う。

「何どこ連れてってくれんの!?海?水族館?動物園?映画館?」

美咲はこの一年半、哲治に連れて行ってもらってない所を言った。

隆は少し俯き


「……図書館」

と言う。


「図書館ってあの図書館?どうしたの突然?」

そう言う美咲に

「……美咲と一緒に勉強したいだけだ」

と、照れ臭そうに隆は言った。


美咲と隆は幼稚園から一緒の腐れ縁だ。

その中で未だかつてした事がない隆の表情に

「どうしちゃったのよ!」

と、パシンッと背中を叩こうとしたが

手首を掴まれ、隆が

「どうしたのはお前の方だ」

と、言った。
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