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手を繋ごう〜愛憎II〜
第6章 憂鬱
手首を掴まれ、黙り込む美咲に

黙って美咲を見つめる隆。


少し時間が空き、口火を切ったのは美咲の方だった。

「図書館って、どこの図書館?」

「区の中央図書館」

(さすが隆ね…)

美咲は思う。

隆は昔から本が好きだった。

だから、昔隆の部屋に言った時に本棚にはずらりと、小説が入っていた。

中央図書館と言えば、他の図書館に比べて、蔵書が多い。



「勉強したいんじゃなくて、本が探したいんじゃないの〜?」

手首を逆の手でやんわりと外し、隆に言うと




隆が真顔で


「お前と、勉強がしたい。それだけだ」

と、美咲を見つめて言った。


ドキン…

何故かそこで、美咲の胸が高鳴る。


隆から、そんな事を言われた事なんて一度も無かった。


「い、いいわよ!そしたらいつから勉強しに行く?」

美咲が言うと

「今週の土日からでも良いか?」

と、隆が言う。


「うん。分かった。私も、隆に教えてもらいたい事あるし。」

「それは俺もだ」

隆は文系、美咲は理系が得意だった。


「じゃあ、土曜日ね」


そう言って、隆の家の隣である、美咲の家に入ろうとした時


「なあ、美咲?本当に俺に隠してる事、ないか?」

と、隆は美咲に言った。


美咲は思わず泣きそうな気持ちを込み上げるが、必死に我慢し

「無いわよ!そんな事!」

と、言って、家の中に入って行った。








隆の視線を感じながら。
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