この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
some more storys
第5章 井上 翔太
「笑った顔が、すごい可愛くて。事務さんなんですけど、仕事の精度も高いし、頼りになるし、いつも助けて貰ってて。いつか、告ろうって思ってたのに。告った時には既に遅くて、男が居たっていう。」
小鳥遊さんは無言で、真剣に聞いている。
「それで…?」
「2人は結婚しました。メデタシメデタシ、です。」
「…井上くんも…辛い思いしたんやね…」
「慰めて、くれますか…?」
俺は、小鳥遊さんの目をじっと見つめた。
「なんてね。冗談ですよ。」
すぐに引き下がる。
しょうもないことを言ってしまった、と、後悔した。
自嘲的な笑みを浮かべ、フイと横を向く。
「い、のうえ、くん…」
困ったような、心配そうな顔の小鳥遊さん。
お願いだから、そんな顔しないで。
無理強いなんかしないよ。
ホントは、このまま押し倒してしまいたい。
だけど、あの時の辻本さんがフラッシュバックのように蘇る。
「止めて!」
って泣いた辻本さん。
頭に血が上って、一瞬めちゃくちゃにしてしまいたい、と思った衝動。
だけど、本気で怯えた彼女の顔に、後悔と自己嫌悪しか残らなかった…あんな思いは、もう2度としたくない。
小鳥遊さんは無言で、真剣に聞いている。
「それで…?」
「2人は結婚しました。メデタシメデタシ、です。」
「…井上くんも…辛い思いしたんやね…」
「慰めて、くれますか…?」
俺は、小鳥遊さんの目をじっと見つめた。
「なんてね。冗談ですよ。」
すぐに引き下がる。
しょうもないことを言ってしまった、と、後悔した。
自嘲的な笑みを浮かべ、フイと横を向く。
「い、のうえ、くん…」
困ったような、心配そうな顔の小鳥遊さん。
お願いだから、そんな顔しないで。
無理強いなんかしないよ。
ホントは、このまま押し倒してしまいたい。
だけど、あの時の辻本さんがフラッシュバックのように蘇る。
「止めて!」
って泣いた辻本さん。
頭に血が上って、一瞬めちゃくちゃにしてしまいたい、と思った衝動。
だけど、本気で怯えた彼女の顔に、後悔と自己嫌悪しか残らなかった…あんな思いは、もう2度としたくない。