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第5章 井上 翔太
あ〜ぁ、俺ってホントにバカだなぁ。
後先考えずに、こんなとこで、朝まで過ごそうとするなんて。
気まずくなっても逃げ場ないじゃん…

また情けなくて涙が出そうだ、と思った時。
小鳥遊さんが、俺の頭を両手で挟んでグィッと自分の方を向かせた。

そして、また俺の好きな、あの笑顔で、小首を傾げて微笑む。

「あんた、よう泣くなぁ」

あ、ダメだ。今そんな顔されたら…

ギュウッと心臓が締め付けられるような、痛みを感じる。

俺の頭を持ったまま。小鳥遊さんの顔が近づいてくる。
コツン、と額と額が軽くぶつかった。

「井上くんのおかげで元気出たから。埋め合わせは、するよ?」

嘘だ⁉︎
俺は、ゴクリと息を飲み込んだ。

「…じゃあ、今、身体で。」

小鳥遊さんは困ったように笑って、
コクリと頷いてくれた。

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