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第5章 井上 翔太
「どうでしょうね。変わってた、かもしれません。でも、俺は嫌です。家庭がありながら、小鳥遊さんを利用するような、ズルい男に、縋ったりしないでください。貴女を見てる男が、他にいます。」

「え…?」

俺を見上げるその目を見つめ、額にそっとキスをする。

「ここに。」

「年下だし、頼りないけど、でも、泣かしたりしません。精一杯、大事にします。ーーー好きです。真紀さん。」

小鳥遊さんはカッと頰を赤らめ、パチパチと瞬きをした。

そして、恥ずかしそうに笑った。

「甘えても、ええんかな…」

「はい。俺も、甘えたい。でも。俺にも甘えてほしい。我儘もたくさん言ってください。頑張ります。だから、俺と付き合って下さい。」

「井上くんとなら、恋、できるかな。」

「いっぱい、楽しい事しましょう。デートしたり、いちゃいちゃしたり。俺、いっぱいしたいです。恋、しましょうよ?まだそんな年寄りじゃないっすよ。」

ぎゅうっと抱きしめる。

小鳥遊さんはふふっ、と笑った。

辻本さんを何時迄も引きずってた俺と、オトコに騙されて傷ついた小鳥遊さんと。

ただの傷の舐め合いだといわれれば、それはそうなのかもしれない。

でも。それでも。

2人で前に進めるなら、ソレは良いことだ。と、納得した俺に。

「井上くん…ひとつ、お願いが、あるんやけど、聞いてくれる…?」

「何ですか?何でも言ってください。」

頷いて彼女の目を見た俺に、小鳥遊さんは初めて見る、妖艶な流し目で微笑んだ。

「今日のもヨかったけど、私、自分が上になるのも好きなん…次は、私にヤらせてくれる?…イイ声で、啼いて?」

えっ…?

この人、子ウサギの顔した、ドSだっ……⁉︎
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