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第5章 井上 翔太
その後。
翌日は休みで。

ぐっすり眠って、朝8時頃に起きてシャワーを浴び、お互いの家に帰った。外で朝食を食べようか悩んで、ちょっとした気恥ずかしさもあり。真っ直ぐ帰ることにした。
タクシーに2人で乗り、小鳥遊さんのウチ経由で俺のウチへ向かう。

俺がマンションに帰り着いたのは、午前10時だった。

スーツ以外の衣類を洗濯機に放り込み、洗濯済のTシャツとパンツに、部屋着のスウェットを着込む。

トースターにパンを入れ、インスタントコーヒーを飲みながら、ぼんやり昨日のコトを反芻する。

思えば、彼女のコトを向日葵みたいだ、なんて思った時から、俺は彼女に惹かれてた。

でも、誰かを好きになるなんて、まだ先の事だと思ってた。
あんなに引きずってた辻本さんのことも、今は、なんていうか、良き思い出、みたいな感じになりつつある。初恋みたいなもんで、未練があるわけじゃない、でも、忘れない。

大切な心のアルバムの1ページ、って感じ。

そうさせてくれたのは間違いなく、小鳥遊さんで。

だから小鳥遊さんと付き合うことに、なって。

イキナリ身体の関係から始まった、それは、きっとイロイロ順番が違って。

でも、それはそれで、良かったのかな、とも思う。
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