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第5章 井上 翔太
俺たち2人が、正攻法でこの状態に到達するには、きっともっと、長い時間がかかったと思うから。
そうしてるうちに、絶対どっちかが拗らせるんだ、こういう場合。

だから、これで、よかった。

トーストをかじりながら、2杯目のコーヒーを淹れていると、ピロリン、と携帯が鳴った。

小鳥遊さんからのSNSだった。

《今晩ウチに、泊まりにおいで〜☆クリスマスやし、頑張ってご飯作るから♪》

泊まりって。
マジで、連チャンでヤんの?

どんだけ体力あるんだあのヒト。
俺ついていけんのカナ…

ちょっとゲンナリしたけど、でも、連休の予定もなく、3日間時間を持て余すハズだった身に、彼女の手料理は、やっぱり魅力的なお誘いで。

俺は苦笑して、オッケースタンプを返した。

洗濯終わったら、支度して、クリスマスプレゼントでも買って持って行こう。
花束なんてガラじゃない。
ケーキと、あとは…
指輪…はまだ早いし、サイズもわからない。
なら、普段使いできるネックレスか、ピアス、かな。
うん、ピアスにしよう。
会社で、いつものスーツ姿に、俺のプレゼントしたピアスをつけて、普段通り過ごすとか、ちょっとイイよね。
彼女のショートボブなら耳が半分見えてるから、つけてるのよくわかるし。

ダダ混みの神戸大丸で、揉みくちゃになりながらピアスを買い、元町の小洒落たケーキ屋で、ケーキを買って、小鳥遊さんの部屋に行く。

美味しい手料理と、連チャンだけど、濃厚なセックス。
甘々の3日間を過ごした。
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