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第1章 井上 未玖
「ふぅん。じゃあ、デキ婚てワケじゃあないんだね。お父さんとお母さんの結婚式の写真の日付と、お兄ちゃんの誕生日とで、お式の時には妊娠してたよねぇって思ってたんだけど。」
「どこまでをデキ婚て言うのか知らないけどね。お式や入籍の時点で妊娠してたらそう言うのか、妊娠が判って仕方なく結婚するコトなのか…」
「私は後者だと思うけど。」
「ならそう言うコトにしときましょうか。」
お母さんはニコッと笑って、グリルから出した熱々の皿を鍋敷きに置いた。
耐熱皿の中で、グツグツ音を立てるオイルサーディンに、ネギと生姜がこんもり乗ってて、いい匂い。それに七味唐辛子と醤油を垂らして箸と一緒にリビングに持っていく。
お父さんお気に入りのビールのおつまみだ。
なんだかんだ言って、仲良いのよね、ウチの両親。
私はそれを見届けて、自室に戻った。
「どこまでをデキ婚て言うのか知らないけどね。お式や入籍の時点で妊娠してたらそう言うのか、妊娠が判って仕方なく結婚するコトなのか…」
「私は後者だと思うけど。」
「ならそう言うコトにしときましょうか。」
お母さんはニコッと笑って、グリルから出した熱々の皿を鍋敷きに置いた。
耐熱皿の中で、グツグツ音を立てるオイルサーディンに、ネギと生姜がこんもり乗ってて、いい匂い。それに七味唐辛子と醤油を垂らして箸と一緒にリビングに持っていく。
お父さんお気に入りのビールのおつまみだ。
なんだかんだ言って、仲良いのよね、ウチの両親。
私はそれを見届けて、自室に戻った。