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第7章 北川 樹
「で、名前だよ。」

「だねぇ…樹さんの、樹って字入れたいんだ。」

ナントカ樹…候補で考えてたのは、ヒロキ、ユウキ、コウキ…あたりだったけど。漢字はものすごい当て字で読めない、てのは止めよう、って言ってただけで、字画とかは調べてなかった。

ふと、大きい樹、と思いつき。タイジュ、ダイキ…と読めそうな読みを考えながら携帯で大の字の読み方を検索した。マサとかヒロとか色々読めるみたいで。マサキも名前としてアリだけど…ヒロキもいいな…と悩む。

メモアプリに大樹と打ち込んで、

「マサキ、ヒロキ、ダイキ、タイジュ…どの読み方がいいと思う?」

遙は携帯と赤ん坊の顔を見ながら、

「ひろき、かなぁ…ひろくん、って可愛い!」

「じゃ、そうするか。」

「ひろき〜…ひろくーん」

囁くように呼びかけながら、頰を人差し指でくすぐる遙に、赤ん坊がふにゃ、と笑った…ような気がした。
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