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第8章 芳川 翠
洋風の外観とは裏腹に、お箸で食べるフレンチ、というコンセプトらしく。夜だからまぁ、コースしかなくて、それなりではあったけど、ランチなら結構リーズナブルなお値段で来れそうで。
さすがこんなお店も知ってるのね、と思ったら、このお店が情報誌に掲載される時、カメラマンとして仕事で来たということだった。

なるほどね、と納得して、ワイン開ける?と聞いてくれたけど、それほどワインに詳しくないし、玄くんが車で呑めないのに私だけじゃ、と断った。

遠慮しなくていいのに、と笑う玄くんに、私は呑まなくてもいいもの、と言って、お食事を頂く。
食べやすくてとても美味しかった。

ご飯の後は玄くんのマンションに移動して、明日は休みだし、いつも通りまったりした後、濃厚な夜を過ごすんだろうな〜とは思ってたんだけど。

ソファに隣り合って座って、いちゃいちゃしてた時。

「なぁ、翠…一緒に風呂入ろ?」

え⁉︎

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