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第9章 巽 圭吾
寒い冬の日。
箱には3匹の子猫がいて。
2匹は俺が見つけた時点で死んじゃってた。

唯一生きてたのがコタだった。

本当はそんなことしちゃいけないんだろうけど、2匹を公園の花壇に埋めて。生きてた1匹を連れて帰った。

おかんは最初いい顔をしなかったけど、ちゃんと自分で世話できるんなら飼ってもいい、と言ってくれて。
トイレの掃除もブラッシングも、兄貴も姉貴も一度だってやってくれたことはない。
俺の猫で。俺の友達だった。

小学校の頃、虐められてたってほどではないけど、父親が居ないってことを必要以上に卑下して、たぶん、自分を可哀想な子だ、と思って酔ってるようなとこあったんだろう。友達が少なかった。

中学も同じような感じで、よくズル休みした。

中3になって、流石におかんに、高校と大学はお金もかかるし、勉強する気がないなら働け!と喝を入れられて、真面目に通って、勉強もして、なんとか高校と大学は行ったけど。
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