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第9章 巽 圭吾

腹腔鏡手術だったから、2週間くらいの入院で。
退院したら自己都合退職の離職票が届いてた。
おかんは労働基準局に訴えろ、って言ったけど、俺はもう関わりたくなくて、もういい、と言った。

再就職しようとしたけど、求人情報を見てたらまた吐き気がして。
病院に行っても異常はなくて、精神的なものだと言われ。
おかんの勧めでカウンセリングを受けながら療養した。
カウンセリングと並行して、バイトを始めて、接客業は大丈夫、と気づいたから、今度は営業か接客業にしよう、と思って。
今の会社のあるあたりの下見も兼ねて、オフィス街のコンビニでもバイトをして。

時間とともに求職活動に関する吐き気も治まって来て。いくつか受けた中で、履歴書の、最初の会社を1年で辞めてる、てとこと、2年間のブランクはどこでも突っ込まれたけど、カウンセリングのお陰か、きちんと昇華出来てて、冷静に話すことができた。
そうして、今の会社に入って。
先輩も上司も同僚も、いい人が多いと思うし、今は普通に仕事ができてる。