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第10章 萩原 義隆
「お返しに菜摘のことも気持ち良くしたいんだけど。」

そう言って菜摘を抱き寄せ、キスをする。

「…私だけ…?」

「…二人で。」

肩を抱き、LDKの灯りを消して、誘うように私の寝室に連れて行く。

菜摘の身体を丹念に愛撫すると、甘い声に気持ちが昂ぶる。

気持ちと共に雄の部分も猛り、50を過ぎても性欲というのは衰えないもんだな、と我ながら呆れる。
むしろパイプカットの手術をして、妊娠を気にしなくていい、となった途端以前より旺盛になった気すらする。

…一番は、相手が若いというところかもしれないが…


いつまで、こうした関係が保てるのかはわからないが、いずれ終わりが来ることは事実だから、せめてその日までは。

身体が使い物になるうちは、彼女を愛そう。

勃たなくなった頃に、菜摘が欲しがったら、…まぁ、その時はその時だ。今は…余計な事を考えるのはよそう。今、この時を。
この時だけを…

先端で最奥を捉え、揺さぶる様に小刻みに動かすと、菜摘の身体が仰け反る。

甲高い啼き声と共に不規則な収縮を繰り返す媚肉。
搾り取られるように最後の瞬間を迎えた。
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