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第11章 新田 誠治
「今年は他にもイベントがあるから予算が足りないみたいでね、花火代協賛してくれないかってこのあいだお願いされたの。2〜300円でいいっていうから渡したのよ。そのお礼ですって。」
そう言って桜子が差し出したのは、線香花火の小袋だった。
…お礼、ね。花火のパックに入ってる中で子供に不人気なんだろうなぁ。線香花火って地味だもんな。
でもまぁ、地味だけど味はあるよな、線香花火って。
桜子がライターを持って来て、サンダルで庭に降りた。家でよくきてる足首までの長いワンピース(マキシ丈という言葉は最近覚えた)が地面につかないよう、たくし込んでしゃがむ。
小袋の中には鮮やかなこより状の線香花火が5本入っていた。
暗くなってきた庭で、桜子が1本目の線香花火に火を点けた。
ぱちぱちと控えめな火花を散らす線香花火を眺めながら、俺はビールの最後の一口を流し込んだ。
1本つまみ、火を点けてみる。
桜子のより、一足遅れで火花が散る。
そう言って桜子が差し出したのは、線香花火の小袋だった。
…お礼、ね。花火のパックに入ってる中で子供に不人気なんだろうなぁ。線香花火って地味だもんな。
でもまぁ、地味だけど味はあるよな、線香花火って。
桜子がライターを持って来て、サンダルで庭に降りた。家でよくきてる足首までの長いワンピース(マキシ丈という言葉は最近覚えた)が地面につかないよう、たくし込んでしゃがむ。
小袋の中には鮮やかなこより状の線香花火が5本入っていた。
暗くなってきた庭で、桜子が1本目の線香花火に火を点けた。
ぱちぱちと控えめな火花を散らす線香花火を眺めながら、俺はビールの最後の一口を流し込んだ。
1本つまみ、火を点けてみる。
桜子のより、一足遅れで火花が散る。