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第11章 新田 誠治
「線香花火ってね、この火の状態に全部名前があるの、知ってた?」
「知らん。そうなの?」
桜子が頷く。
「一番最初、火を点けた時、先に「玉」ができる状態が牡丹。
次の、玉から大きく火花が出てる状態が松葉。火花が低調になったときが柳。最後の消える直前は散り菊、っていうのよ。」
「へ〜。また風流な名前があるもんだ。よく知ってるね。」
「昔、お母さんに教えてもらったの。誰かに言う機会もなかったけど、不意に思い出しちゃった。」
桜子のにひと足遅れて、俺のヤツが柳から散り菊になり、ぽたり、と玉が落ちた。
2人で2本目の花火に火を点けた。
「昔さ、線香花火って藁に黒い火薬がついたヤツだったけどな。今あんまり見ないよな?いつからこんなのになったんだろうな。」
「コレは関東風なのよ。誠治さんの言ってるのは関西風。昔は、こうやって手に持ってするんじゃなくて、香炉とかに立てて眺める公家の遊びだったんですって。」
「知らん。そうなの?」
桜子が頷く。
「一番最初、火を点けた時、先に「玉」ができる状態が牡丹。
次の、玉から大きく火花が出てる状態が松葉。火花が低調になったときが柳。最後の消える直前は散り菊、っていうのよ。」
「へ〜。また風流な名前があるもんだ。よく知ってるね。」
「昔、お母さんに教えてもらったの。誰かに言う機会もなかったけど、不意に思い出しちゃった。」
桜子のにひと足遅れて、俺のヤツが柳から散り菊になり、ぽたり、と玉が落ちた。
2人で2本目の花火に火を点けた。
「昔さ、線香花火って藁に黒い火薬がついたヤツだったけどな。今あんまり見ないよな?いつからこんなのになったんだろうな。」
「コレは関東風なのよ。誠治さんの言ってるのは関西風。昔は、こうやって手に持ってするんじゃなくて、香炉とかに立てて眺める公家の遊びだったんですって。」