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第11章 新田 誠治
「そうなんだ?それでそんな、風流な呼び名付けてんのかな。」
「そうかもね。昔は京が都で、上方って言ったじゃない?文化も西から東に下って行くものだったわけでしょ?その中で、江戸では藁が手に入りにくくて、逆に紙はたくさんあったから、こうやって綺麗な和紙に火薬を包むカタチで定着したんだって。」
「それもお母さんから教えてもらったの?」
桜子がコクリと頷く。
松葉から柳へ、終盤に近づくも、桜子の花火の玉は落ちそうで落ちない。逆に俺のはあっけなく落ちてしまった。
「あー…」
「ダメよ動かしちゃ…動かすからすぐ落ちちゃうのよ?」
最後の5本目に火を点け、2人静かに火花を眺めた。
5本目の玉が落ちるのを待って、2人で家の中に入ろうとしたら、部屋の中に誠大がいた。
「ナニいい歳したオッサンがニヤついて線香花火なんかやってんだよ…気持ち悪いわ。」
「五月蝿い。」
誠大の頭に拳を押し付け。
「痛った!」
と睨む誠大に、べー、と舌をだす。
「そうかもね。昔は京が都で、上方って言ったじゃない?文化も西から東に下って行くものだったわけでしょ?その中で、江戸では藁が手に入りにくくて、逆に紙はたくさんあったから、こうやって綺麗な和紙に火薬を包むカタチで定着したんだって。」
「それもお母さんから教えてもらったの?」
桜子がコクリと頷く。
松葉から柳へ、終盤に近づくも、桜子の花火の玉は落ちそうで落ちない。逆に俺のはあっけなく落ちてしまった。
「あー…」
「ダメよ動かしちゃ…動かすからすぐ落ちちゃうのよ?」
最後の5本目に火を点け、2人静かに火花を眺めた。
5本目の玉が落ちるのを待って、2人で家の中に入ろうとしたら、部屋の中に誠大がいた。
「ナニいい歳したオッサンがニヤついて線香花火なんかやってんだよ…気持ち悪いわ。」
「五月蝿い。」
誠大の頭に拳を押し付け。
「痛った!」
と睨む誠大に、べー、と舌をだす。