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第12章 幕間…SS集…②
新田 誠治
7月25日。
天神祭の影響か、いつもより電車が混んでて。
毎年のことながら、少しうんざりしながら帰宅した。
「ただいま〜」
「お帰りなさい。」
桜子が出迎えてくれて。
「今日は土用丑だから鰻よ。」
満面の笑顔。
「…またお義母さんに貰ったの?」
「うん。」
「なんか毎年申し訳ないな…」
「いいのよ、好きでやってるんだから。甘えるのも親孝行のうちの一つ、って思ってる。」
「都合いいなぁ…」
溜め息をつきつつ、我が家の家計では土用丑だからといって国産の鰻を家族で食べる、なんて事は難しい。
だから、嬉しくないわけじゃないんだよ。だけどさぁ…
「美味しく頂いて、美味しかった、って言えばいいのよ。」
7月25日。
天神祭の影響か、いつもより電車が混んでて。
毎年のことながら、少しうんざりしながら帰宅した。
「ただいま〜」
「お帰りなさい。」
桜子が出迎えてくれて。
「今日は土用丑だから鰻よ。」
満面の笑顔。
「…またお義母さんに貰ったの?」
「うん。」
「なんか毎年申し訳ないな…」
「いいのよ、好きでやってるんだから。甘えるのも親孝行のうちの一つ、って思ってる。」
「都合いいなぁ…」
溜め息をつきつつ、我が家の家計では土用丑だからといって国産の鰻を家族で食べる、なんて事は難しい。
だから、嬉しくないわけじゃないんだよ。だけどさぁ…
「美味しく頂いて、美味しかった、って言えばいいのよ。」