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第13章 萩原 隆行
「はぁ…」

「ヒトって予測…想像するモンだから。こういったらラストはこうなるだろうな、って着地点を想定しながら進んでいくんだよ。そうしないと不安だからね。で、その着地点が想像と異なるのがサプライズ。でもそれは、いい意味でも悪い意味でもあって。想定…期待とも言うけど、それを下回ると悪い印象になる。想定どおりは記憶にも残らない。期待に応える、ではサプライズにはならないんだって。でも、期待を上回ればいいってもんでもなくて、振り幅があって、許容範囲を超えちゃうと今度は理解できなくなっちゃう。許容範囲は人によるけど、まぁ仮に期待値を0、プラス50までが許容範囲だとしたら、50に近いほど感動は大きくなるけど、51を超えちゃうとまた理解の範疇を超えて悪印象になる、ってこと。多少ミスってもいいように40くらいのラインを狙っていかないといけないらしいよ。しかもその許容範囲は人によって狭かったり広かったりするワケだから、相手のことよく見て、性格理解してないとそんなん無理だよねぇ…」

祥悟さんが休憩所のコーヒーサーバーにI.D.カードをかざしてボタンを押した。
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