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第16章 芳川 翠 ー熱ー
「自分で食べられる?俺が食べさせる?」

「…自分で…いただきます…」

私はれんげでおかゆを掬い、ふーふーして食べ始めた。
食欲はなかったけど、食べ始めるとどんどん食べられた。

「何がいいかわかんなかったから、色々買ってきたけど。とりあえず、リンゴとプリンとヨーグルトとゼリーとスポードリンクは冷蔵庫に入れてある。あとおかゆはもう1袋。」

「…そ、そんなにたくさん?…ありがとう…なんか、ごめんね…」

「いいよ。早く元気になって欲しいだけだから。」

私がおかゆを食べる間、てっちゃんはドレッサーのスツールを持ってきて、ベッドの脇に座ってた。

「症状はどんな感じ?…熱は測った?」

「朝は、7度5分くらいだったかな…」

てっちゃんは自分のおでこに右手、私のおでこに左手を当てて、比べる。

「あんまり高くはなさそうだけど…喉は?」

「…痛い」

「頭痛も?」

私はコクリと頷いた。
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