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第21章 幸村 昌希
受け取ると、大きさの割に軽い。何が入ってるんだろう…

受け取り票にサインし、ベルボーイは下がっていった。

送状は、確かに母さんの字で書かれていて。
壊れ物、取扱注意のラベルが貼ってある。

「開けてみても、いい?」

俺が頷くと、由香は緊張した面持ちで箱を開けた。
中から出てきたのは、バラがメインのブーケだった。

「…これ…」

「…生花じゃ、ないね…」

「シルクフラワーね…」

「シルクで出来てるの?」

由香は、ううん、と首を振って。

「造花ってこと。でも、クオリティの高いのは1本何百円もして生花よりずっと高いのよ。」

「そうなの?」

「うん、こんなブーケ、きっと材料費だけでも何千円じゃ済まないと思う…」

「へぇ…」

ブーケスタンドに嵌ったブーケには、happy wedding のメッセージカードもついていた。

由香はブーケに見惚れて言葉もなかった。
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