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第21章 幸村 昌希
箱を開けると、シンプルな真珠のネックレスと、イヤリングのセット。

「…コレ…花珠って…」

「高いの?」

「高いよ!最高級品だよ⁉︎ 真珠の、いっちばんグレード高いヤツ‼︎
私も冠婚葬祭とかで1つあると便利だし…パールの揃い買おうか悩んだけど、花珠なんてとても手が出なくて…もう少しお金貯めてから手の届く範囲のヤツ買おうかなぁとは思ってたけど…」

「そうなんだ…」

「こんなの、貰っちゃっていいのかな…何十万もするんだよ?」

「マジか…ちょ、母さんに電話してみようか」

俺は携帯を出して、母さんに電話をかけた。

数回のコールで電話がつながる。由香にも聞こえるようにスピーカー通話にして、テーブルに置く。

「もしもし、母さん、俺、昌希だけど。」

『荷物、ちゃんと届いた?』

「今開けたとこ…ブーケは、母さんから?」

『そうよー。2、3年前から、シルクフラワーのアレンジメント習い出したの。だから、どうしても作ってみたくって。』

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