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第22章 白河 桜子
「ヨーコ、知ってる人だったの?」

友達は首を傾げてて。私は上の空で頷いた。

「こちら、私の彼の友達で、萩原義隆さん。経済の3回生。こっちは…紹介しなくても大丈夫?」

「モチロン。白河 ヨーコちゃん、だよね。ミスキャンパスの。」

その後、色々話したような気もするけど、驚き過ぎて、何を話したのかまでは、よく覚えていない。

友達カップルとのダブルデートを経て、私と義隆さんは付き合い始めた。

義隆さんは、大学の近くで一人暮らしをしていて。
よくその部屋にもお邪魔した。

狭いけど、掃除の行き届いた部屋で、男性の一人暮らしってもっと散らかってるかと思ってた、と言ったら、物が少ないだけ、と笑っていて。カッコいいのに、派手でも遊び人でもなくて、かと言って朴念仁でもない。お酒も飲むし、話すと楽しい。きっとモテるだろう義隆さんに彼女がいなかったのが不思議で。

それを聞いたら、
「女の子と付き合ったことはあるけど、遊ぶのは得意じゃない。軽いコにも興味ない。遊び相手が欲しいなら他に適任者が山程いるじゃない。それに僕、車も持ってないし。スキーもスキューバーも興味ないって言ったら大抵のコはつまらない、って言うよ。」

と笑った。

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