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第22章 白河 桜子
翌年の冬。私は成人式を迎えた。
着物は去年から、祖父に付き添われて、加賀友禅の振袖を仕立ててもらってたけど、成人式を待たずして、夏に祖父が倒れた。
私が着物を着るのを楽しみにしてたから、お母さんにお願いして、呉服屋さんに頼んで、まだ出来てない着物の反物を持って来てもらって。病室で、反物を身頃と袖に見立てて着せてもらって、枕元で手を握った。
祖父は綺麗だよ、流石儂の孫娘だ…と笑ってくれたけど、結局、それから暫くして亡くなった。
寒くなる前に着物が仕上がって来た。
和室の衣紋掛けに広げてかけられた、手描きの加賀友禅の振袖。着物を仕立てた反物の余りでお揃いのバッグと草履も仕立てて貰って。白いミンクのファーのマフラーも準備してあった。
だけど、ちょうど周期的に生理予定日と重なるのがブルーで。
寒いのにお腹が痛くなったり、帯が苦しくてしんどくなったらどうしよう、とか。着付けが終わってからトイレに行きたくなったらどうしようとか、まさか着物を汚してしまうことはないだろうけど…その日は普段あまり使わないけどタンポンにしようかな、とか、いろいろ考えた。
だけど、成人式当日の朝になっても、生理は始まらなかった。
着物は去年から、祖父に付き添われて、加賀友禅の振袖を仕立ててもらってたけど、成人式を待たずして、夏に祖父が倒れた。
私が着物を着るのを楽しみにしてたから、お母さんにお願いして、呉服屋さんに頼んで、まだ出来てない着物の反物を持って来てもらって。病室で、反物を身頃と袖に見立てて着せてもらって、枕元で手を握った。
祖父は綺麗だよ、流石儂の孫娘だ…と笑ってくれたけど、結局、それから暫くして亡くなった。
寒くなる前に着物が仕上がって来た。
和室の衣紋掛けに広げてかけられた、手描きの加賀友禅の振袖。着物を仕立てた反物の余りでお揃いのバッグと草履も仕立てて貰って。白いミンクのファーのマフラーも準備してあった。
だけど、ちょうど周期的に生理予定日と重なるのがブルーで。
寒いのにお腹が痛くなったり、帯が苦しくてしんどくなったらどうしよう、とか。着付けが終わってからトイレに行きたくなったらどうしようとか、まさか着物を汚してしまうことはないだろうけど…その日は普段あまり使わないけどタンポンにしようかな、とか、いろいろ考えた。
だけど、成人式当日の朝になっても、生理は始まらなかった。