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第22章 白河 桜子
隆行が3歳になる頃には、私たちの…私の気持ちは完全に義隆さんから離れていた。
それでも自分から離婚を切り出さなかったのは…義隆さんは、バブルが弾けて収入が落ちた、とはいえ、きちんと生活費は入れてくれていたし、別に浮気をしてる風もない。暴力も振るわないしギャンブルもしない。育児に協力的でないことを除けば、いい夫だった。ただ、それは私の求める理想の夫ではなかった。私が思い描いていた家族像は、そんなんじゃなかった…私は…生活費はもちろん大事だけど、そうじゃなくて、もっと、寄り添ってくれる人がいいの。
義隆さんは…違うの…

だけど、下手に離婚を切り出して、出て行けと言われたら、私は働いたこともないし、自活していく術がない。実家に帰れるかどうかもわからないし、生活力が無ければ、隆行の親権も取れない。
まずは、仕事だ。
いつから働けるかも、自分に何ができるかもわからないけど、自活できるようになるまでは、離婚は切り出せない…
仮面夫婦とか、家庭内別居なんて、きっと珍しくもない。
私だけじゃない…

生活費は義隆さんに頼りながら、気持ちはすっかりシングルマザー。本当のシングルマザーはそんなもんじゃない、生活費を稼がなきゃいけないから、働き詰めで子供とゆっくり向き合う時間や余裕がない、なんて事は全く知らず、隆行と2人で過ごしていた。

私は…なんて幼稚で我儘だったんだろう…
でも、当時は、被害者は自分だと。本当にそう思ってた…



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