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第2章 高野 正一郎
そんな頃、また親父に呼ばれて、縁談の話を聞かされる。
「ゼンエモンの娘がなぁ、どうしてもお前と、と言うとるらしいんや。お前、その決めた相手とやらとはどないなんや?なんぞ進展はあるんかいな?」
「…別れた。」
「そうか、ほんならこの話、進めてもええな?」
「…好きにせぇ」
結婚なんて、好いた相手とするモンやないんや。家のため、生活のために、つりあいの取れた相手とするモンなんやろうな…
そう思って、諦めた。
暫くして、トキエが嫁に行った先が、山向こうの、金持ちの爺やと知った。
トキエの親より歳くった、六十も超えた爺のクセに、色欲だけは枯れてない、妾も何人も囲うとるらしい、という噂。
借金の為とは言え、そんな男に嫁がなあかんかったんか…
なんでや…トキエが、俺の事を鼻で笑うて、金持ちの旦那と幸せに暮らしていけるなら、俺は俺で、と割り切れたのに…なんでや…
「ゼンエモンの娘がなぁ、どうしてもお前と、と言うとるらしいんや。お前、その決めた相手とやらとはどないなんや?なんぞ進展はあるんかいな?」
「…別れた。」
「そうか、ほんならこの話、進めてもええな?」
「…好きにせぇ」
結婚なんて、好いた相手とするモンやないんや。家のため、生活のために、つりあいの取れた相手とするモンなんやろうな…
そう思って、諦めた。
暫くして、トキエが嫁に行った先が、山向こうの、金持ちの爺やと知った。
トキエの親より歳くった、六十も超えた爺のクセに、色欲だけは枯れてない、妾も何人も囲うとるらしい、という噂。
借金の為とは言え、そんな男に嫁がなあかんかったんか…
なんでや…トキエが、俺の事を鼻で笑うて、金持ちの旦那と幸せに暮らしていけるなら、俺は俺で、と割り切れたのに…なんでや…