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第22章 白河 桜子
「…そうなの?」

「そうよ。夫婦なんて、他人同士がいきなり家族になるんだもの。その上あなたはいきなり母親にもなって、義隆くんはあなたと子供を養わなきゃって気負ってだろうし、そんな余裕がない中で恋人だった頃みたいに四六時中仲睦まじくなんて到底無理な話よ…お互い、どこかに吐け口がないと…義隆くんはどうだったか知らないけど…彼は、本当に実直な青年だったわね….毎年、桜子と隆行くん、だっけ?子供の写真をつけて年賀状を送ってくれてたのよ…」

「そうなの?」

「お父さんが、子供が5歳になるまで育ててみろって言ったからかしらね。
5歳以降は、毎年、今年は顔を見せに伺いたいと思います、ってメッセージは添えてたけど…来てはくれなかったけど…でも、成長して行く孫の写真は…毎年楽しみにしてたわ…」

そんなの知らない…

「そんなことがあったなんて、全く思わなかったけど…でもいつもあなたと子供の写真だけだから、家族揃ってどこかに行ったりする余裕はないのかしら、なんて思ったりはしてたけど…」
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