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第25章 新田 誠治 ー プロポーズの後 ー
風呂に入り、髪と身体を洗い、湯船に浸かる。
程よく温まった所で髭も当たる。
風呂の鑑で自分の顔を見てみた。
お世辞にも、男前じゃあ、ない。
甲斐性があるワケでも、ない。
オマケにコブ付き。
そんな俺が。
桜子さんと、結婚、する…

大丈夫なんだろうか。

俺はとんでもない考え違いをしてるんじゃなかろうか。

…いや、昼間、プロポーズした時の桜子さんの反応。
子供たちの期待と、それに対する桜子さんの反応も。
きっと、嘘じゃなかった。
だから、余計なコトは考えるな。

俺は、俺に出来ることをするしか、ないんだから…

両手で、パン!と顔を叩き、気合いを入れて、風呂から上がった。

洗濯したての部屋着のスウェットを着、リビングに戻ると、所在無げに座る桜子さんの姿があった。

「ごめんね、待たせて。俺男のくせに長風呂でさぁ…」

後ろ頭を掻きながら笑うと、桜子さんはいいえ、とかぶりを振った。


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