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第25章 新田 誠治 ー プロポーズの後 ー

「十分じゃないですか?スーツだし。」
「や!でも、こんなの、会社に着ていく普段着みたいなもんだし!まぁ持ってる中で比較的新しめなのにはしたけど!」
声が上ずってるのか可笑しかったのか、桜子さんはくすくす笑いながら、
「もしかして緊張してるの?」
と聞いてきた。この家見て緊張しない男が居たらそいつもきっと坊々に違いない。俺みたいな一般庶民に緊張するなって方が無理だよ…
「大丈夫よ、お父さんは定年間際のサラリーマンだし、お母さんもフツーのおばちゃんだから。」
たぶんね、桜子さんにとってのフツーは俺のフツーと次元が違うんだと思うよ…?
震える脚を何とか動かし、玄関に上がると高そうな壺が、ピカピカに磨かれた重厚な木の台に乗ってて。
廊下もピカピカだった。
桜子さんに案内されるままに部屋に入ると、中は打って変わった洋室で。
でも猫足の家具に、ソファの座面は濃いエンジ色のビロード。よく知らないけどナントカ織っていう名前がついてるハズ、の花柄のクッションやテーブルセンターが敷いてあって。ギャップにキョロキョロしてしまう。
「や!でも、こんなの、会社に着ていく普段着みたいなもんだし!まぁ持ってる中で比較的新しめなのにはしたけど!」
声が上ずってるのか可笑しかったのか、桜子さんはくすくす笑いながら、
「もしかして緊張してるの?」
と聞いてきた。この家見て緊張しない男が居たらそいつもきっと坊々に違いない。俺みたいな一般庶民に緊張するなって方が無理だよ…
「大丈夫よ、お父さんは定年間際のサラリーマンだし、お母さんもフツーのおばちゃんだから。」
たぶんね、桜子さんにとってのフツーは俺のフツーと次元が違うんだと思うよ…?
震える脚を何とか動かし、玄関に上がると高そうな壺が、ピカピカに磨かれた重厚な木の台に乗ってて。
廊下もピカピカだった。
桜子さんに案内されるままに部屋に入ると、中は打って変わった洋室で。
でも猫足の家具に、ソファの座面は濃いエンジ色のビロード。よく知らないけどナントカ織っていう名前がついてるハズ、の花柄のクッションやテーブルセンターが敷いてあって。ギャップにキョロキョロしてしまう。

