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第25章 新田 誠治 ー プロポーズの後 ー
しばらく話して、俺は桜子さんのお家を辞した。

「ね?フツーだったでしょ?」

「うん…思ったより…気難しくなくてよかった…」

「 ワケ有り物件を引き取ってくれるなんでどんな物好きだって言われてたから、誠治さんをみて安心したと思う。」

「ワケ有り物件って…」

「本当のことよ。それでも、心配なの。特にお父さんはね。早く再婚してほしいってせっついてくるくせに、ハンパな男はダメだとか言うんだもん。面倒臭いったら」

…て、ことは、俺はハンパじゃない部類に分類してもらってる、ってコトだろうか…良かった…

「子供の幸せを願わない親なんか居ないよ…でも、本当、さっきも言ったけど、俺、桜子さんを幸せにできる自信は、ないんだ。」

「幸せって、何かわかる?人にして貰うもんじゃないのよ。自分で、感じるものなの。誠治さんは、私を大事にするって言ってくれた。それで、十分。お父さんも言ってるもの。必ず幸せにするなんて言い切るヤツほど信用できないヤツは居ないって。」

そうなのか…良かった…言わなくて。いや本当に自信ないし言えなかったけど…
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