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第2章 高野 正一郎
浩次郎は、元々己の意思が弱いと言うか、何でも相手の言う通りに動く節がある。
男としてどうかとも思うが、その性格から、俺と違ごうて人とぶつかることもない。
そやからタエともうまいことやっとるようやった。
タエと顔を合わせるとお互い苛々するから、自然と相手を避けるようになった。
そうして日を過ごすうち、また縁談が来た。
「嫁なんぞ要らん」
「そんな事言うな!弟が先に嫁貰うて兄貴が独り身やなんて風悪いやろう。後継はどうする気や。」
「何が後継や、本家でもないのに。要るなら浩次郎が継げばええ」
「正一郎! 我儘もええ加減にせぇ! タエの何が気に入らなんだんや知らん、次はしっかりした娘やと思う。サカキのトメさんの娘や。あの人のとこやったら間違いないはずや。」
「どうでもええ。」
嫁に興味もなかった。
もうトキエとは添われへんのやから、タエでさえなけりゃ、それでよかった。
男としてどうかとも思うが、その性格から、俺と違ごうて人とぶつかることもない。
そやからタエともうまいことやっとるようやった。
タエと顔を合わせるとお互い苛々するから、自然と相手を避けるようになった。
そうして日を過ごすうち、また縁談が来た。
「嫁なんぞ要らん」
「そんな事言うな!弟が先に嫁貰うて兄貴が独り身やなんて風悪いやろう。後継はどうする気や。」
「何が後継や、本家でもないのに。要るなら浩次郎が継げばええ」
「正一郎! 我儘もええ加減にせぇ! タエの何が気に入らなんだんや知らん、次はしっかりした娘やと思う。サカキのトメさんの娘や。あの人のとこやったら間違いないはずや。」
「どうでもええ。」
嫁に興味もなかった。
もうトキエとは添われへんのやから、タエでさえなけりゃ、それでよかった。