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第27章 幸村 順一
俺は慌ててフォローした。

「あ、別にもう大丈夫だよ?それに、子供置いて2人だと気になって楽しめないってのは嫁さんの意見。家族でワイワイ回転寿司食うのも悪くないぞ?ウチは嫁さんの誕生日と結婚記念日が同じだからさぁ。年末だからだいたい休みだし。目的は家事を休ませることだから、その日は、朝飯も俺が準備するし、掃除も洗濯もするよ?ま、俺が動いて自分が休んでるってのは落ち着かないみたいだから、夕方までは、敢えて1人でどっか行ってもらったりするかな。友達のとことかさ。」

「なるほどねぇ…」

井上は小鉢のきんぴらをもぐもぐと咀嚼しながら眉間にシワを寄せて溜息をつく。

「別にお前らは新婚なんだからオサレなディナーでも行きゃいいんじゃねぇの?」


「…それも考えたんだけどさー…なんかもひとつピンと来ねぇんだわ…」

「じゃ、花とか?」

「俺が花ってガラだと思う?ンなモン買って帰ったら鼻で笑われるわ。」

「いやぁ…口でなんて言っても結構嬉しかったりするんじゃねぇの?」

「そうかなぁ…」

「と、俺は思うけど。保証はしないけどね。」

「だよなぁ…」

2人とも飯を食べ終え、その会話はそこで終わった。
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