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第27章 幸村 順一
「ただいまー」
越したばかりの新居に帰る。
「おかえり。」
千春が迎えてくれる。
「…誕生日、おめでとう。」
玄関先で、手に持ったままの花束を突き出す。花束抱えて電車乗るなんて無理、と思ったし、電車で揉みくちゃにされても困るから、最寄駅を降りたところの小さい花屋で花束を作って貰うように頼んだ。
千春の好きな花も知らない。
てかそもそも花の種類を知らない。
千春っぽい、と言えばどっちかってぇとヒマワリとか。
でも流石にこの時期にヒマワリはなくて。
黄色とか、オレンジとか、あんまり濃くないピンクとか。なんかその辺で可愛らしい感じで適当に作って。ってお願いしたら。
プレゼントですか?と聞かれ。
「嫁の誕生日なんで。」
とひと言だけ言った。
結果、オレンジ色のバラがメインで、かすみ草がパラパラ混じる感じの花束が出来てきた。
オレンジのバラと一口に言っても、色の濃淡が結構あって、花びらの縁が赤っぽくて中は黄色っぽいヤツとか、結構色とりどり。花の形も色々あるから、バラとかすみ草ですよー、と店員に言われたからそうなのかと思ってるけど、花の形が違うのはそういう品種なのか、そもそも違う花なのか、それすらも分からん。
5000円て値段が高いのか安いのか、花の相場を知らんから判断出来んし。
千春は玄関先でぼんやり花束を見つめ。
「…あっくんが、選んでくれたの?」
と呟いた。
越したばかりの新居に帰る。
「おかえり。」
千春が迎えてくれる。
「…誕生日、おめでとう。」
玄関先で、手に持ったままの花束を突き出す。花束抱えて電車乗るなんて無理、と思ったし、電車で揉みくちゃにされても困るから、最寄駅を降りたところの小さい花屋で花束を作って貰うように頼んだ。
千春の好きな花も知らない。
てかそもそも花の種類を知らない。
千春っぽい、と言えばどっちかってぇとヒマワリとか。
でも流石にこの時期にヒマワリはなくて。
黄色とか、オレンジとか、あんまり濃くないピンクとか。なんかその辺で可愛らしい感じで適当に作って。ってお願いしたら。
プレゼントですか?と聞かれ。
「嫁の誕生日なんで。」
とひと言だけ言った。
結果、オレンジ色のバラがメインで、かすみ草がパラパラ混じる感じの花束が出来てきた。
オレンジのバラと一口に言っても、色の濃淡が結構あって、花びらの縁が赤っぽくて中は黄色っぽいヤツとか、結構色とりどり。花の形も色々あるから、バラとかすみ草ですよー、と店員に言われたからそうなのかと思ってるけど、花の形が違うのはそういう品種なのか、そもそも違う花なのか、それすらも分からん。
5000円て値段が高いのか安いのか、花の相場を知らんから判断出来んし。
千春は玄関先でぼんやり花束を見つめ。
「…あっくんが、選んでくれたの?」
と呟いた。